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青い鳥 トップページへ戻る > 4 過誤調査/解読1年、過誤固め1年、意見書1年、計3年 >

4-2 ファイル整理が肝心

 地味な話だが、ファイルはこまめに整理する。これは鉄則。

 僕は、時間がなかったために必要な書類がすぐに出せず、そこらのものをごっそりスーツケースに詰めて、弁護士と面談したことがあった。色とりどりの付箋紙だらけの束から当該の文献複写をやっと1枚抜き出しして、被告への反論に最適の記述があるので提出したいと言うと、弁護士は「このためにこれ(スーツケース)持ってきたんたんですか」と驚いて、見出しをざっと眺めただけで「(裁判所に)出しましょう」と言ってくれた。こういう弁護士は使える。

「使える」というのは、「原告が動かせる弁護士」だということ。
 ところが、その本の名、著者、出版社の書いてある奥付けがない。あるはずなのだが、いったん抜き出したら、もうわからなくなった。ついに見つけることができなくて、提出はお蔵入りしてしまった。当初、めったやたらに調査していた頃の文献複写だ。残念ながら、こういう資料はないのと同じ。

 保全したカルテには全て見出しタグ(見出し付箋)を付ける。
 病名ごとのファイル。
 薬のファイル。
 詳細な経過表の類は、何度も参照するので別途独立ファイル。
 下調べ用の資料は、また別のファイル。複写文献は大きさがまちまちになるが、折り曲げてA4ファイルに綴じる。B4やA3ファイルでは扱いにくい。
 裁判書面は、原告側「甲号証」と被告側「乙号証」の別々のファイル。最初は少ないが、のちに増えるので、分けた方が使いやすい。
 資料は、散逸しないように、ホッチキスで止めてから、パンチ穴をあけてファイルする。書類にはタイトルをタグでつける。
 これは確実にやっておかないと、あとでどうしようもなくなる。
 書面なんか3秒で開けないと、尋問のときには間に合わない。

タグ見本
タグ見本

 多くの人がそうなのだろうと思うが、いろいろ整理しようと書面をひろげて並べる。ところが、予定どおりにその作業が終わらず、お客が来たりすると、急いで片づけることになる。そういうときは、ダンボール箱に一気に詰め込んで片づける。お部屋は綺麗になるが、書類は、本や筆記用具やペーパーウエイト、時計や郵便物、ジュース缶、何かの部品などとともにカオス状態の箱の中になる。かくして、開けてみるまでわからないシュレーディンガーの箱となる。

 数十の相談や交渉、裁判等を同時進行させている労組幹部には、1週間に一度、半日かけて全ての書類を整理しながら選別して破棄している人がいる。パソコンデータのバックアップは、なんと毎朝やっているそうだ。読んだメールは分類保存か削除。
 実際、そのくらいしないと、書類や書面がどこにあるのか、わからなくなる。探しているだけでぐったりしてしまうのである。

 これからはじめる人は、裁判用に、大きめのダンボール箱を用意するものいいだろう。とにかく、散逸を防ぐ。 固める。見出しをつける。
 生まれてはじめての医学と訴訟に取り組むのである。それなりの準備は必須となる。
 A4ファイル、パンチ(穴あけ器)、ホチキス(小型のものと大型のもの)を購入する。こんなところでケチらない。
 がんばりましょう。