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4-2-2 看護記録の翻訳

 看護記録も、医師カルテと同様に翻訳して打ち直す。これ、見ればわかるが、いろいろな種類がある。情報の宝庫ね。
 カルテが改竄されているとき、この看護記録が事件解明の鍵を握ることは多いと思う。

 一般的に、看護師は改竄を嫌がります。自分のミスでもないのに、なにが悲しゅうて毎日必死でつけてる日誌を書き換えなくてはならんのか。インチキはイヤ! 気の強い方が多いのでしょうか。いや。失礼。
 1日24時間の記録を3人以上の看護師が書いている。改竄させようとすると、そのうち何人かは言いくるめなければならない。改竄が看護師らのなかで噂になると、今後なにかとやりづらい。それで看護日誌は手つかずとなる。

 特に新人の若い看護師さんの記述は役に立つ。先輩が厳しいからか、意欲があるからか、何が重要かわからないためなのか、まことに細かくたくさん書いてあることが多い。僕が手がけたものにも、丸まった可愛らしい文字で、ばんばん書いていた人がいる。これがものすごくありがたかった。その人の当番になるたびに、病状が把握できるのである。イラストまで添えていた。こんなになってるけど大丈夫なんでしょうか? と、いわんばかりであった。

 カルテが大規模に書き換えられていた事件があります。その裁判で、被告病院の看護師が患者側に立って証言しました。「私は目の前で見ていました」って。そして、複数の看護師が、「カルテに書いてあることは嘘です。真実はこうです」と、書面に書いて署名した。
 でも、この裁判、どうなったと思いますか? 最高裁棄却で原告敗訴確定です。「遺族も看護師も嘘つきでした」という結末です。
 証言した看護師さん、女性です。法廷で、被告側弁護士になんて言われたと思いますか? 裁判官の前で、広い法廷で、マイクの前で、家族や知人みんなが見ている前で。
「あなた。原告と不倫してたから、そういう嘘を言うのでしょう?」
 もちろん、そんな事実はありません。遺族原告は怒りに震えたことでしょう。そういう揺さぶりは、さすが相手もプロですね。
 常識で想像してみてください。原告遺族に味方した看護師は複数ですよ。被告病院は自分の職場ですよ。わざわざ厳めしい裁判所の法廷に立つのですよ。嘘なんか言うと思いますか?
 証言した看護師、署名した看護師はどうなったかって? みんな退職です。職場を変わりました。
 病院に行ったら、ゆめゆめ看護師さんをおろそかにしてはなりません。

 もっとも、看護師によるミスというのはけっこう多い。致命傷になるような原因を作る。致命傷にならないまでも、患者に少なからぬ打撃を与える。それでも治療するのは医師だから責任はそっちにあるし、ミスがわかりにくい。看護記録が改竄されるからです。
 つまり、推理の方法としては、医師カルテと看護記録の両方が改竄されている場合、看護師によるミスを疑うというのがひとつの方向となります。

 看護師さんのミスも、案外と知識不足によるものが多いのではないかと思う。だいたい医者もそうなんだが。
 深夜勤務はきついし忙しいこともあって、知識の不足している人は多い。こんな表現は悪いが、看護師さんには、中学校の通知表でオール5からオール1までいるんです。そういう人が順に病棟現場を仕切っている。それぞれに努力してくれればいいんだが、ここが風通しの良い職場かどうかで差が出る。
 実際はわからないのに、わかってるふりをする。本当はやったことないのに、できるふりをする。できると思い込んでいる人がいる。こういうのが一番困る。あんたのせいで大事な人が死ぬンだよ。
 また、現代では、プロだから大丈夫ということは、もうどんな職業でもいえなくなっているでしょう。熟練の仕事人ほど、まともな仕事がやってゆけなくなっていますから。医療業界だけは勘弁してくれよって言いたいですけどね。