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2-1-5 退院後/説明会など安易にやるな

 よく聞くのが、病院に抗議に行って、病院が説明会を開くというもの。あるいは患者が説明会を要求するもの。一見、よさげな筋であるように見えるのだけど、これも、証拠保全前にやったら駄目です。

 説明会では、医学的な説明がある。それを「違っている」と、あなたは指摘できるのでしょうか? 論破できるのでしょうか?
 身内に専門の医者がいて、その場でカルテを見て、質疑応答させて、ついでにコピーをその場でとるくらいなら、手間が省けるという意味で、考える余地はある。そうでないなら、やらないほうがいい。

 証拠保全して入手したカルテを徹底的に調べる。説明会で追求するのは、それからです。その説明会では、証拠集めに徹します。そして、その後の交渉に備えるのです。

 病院からの説明をうけて、「それは違うではないか」と責任を追求して、あなたはどうしたいのか?
 謝らせたいのか。ならば、説明会でけっこうだと思う。でも、謝らないかもしれませんよ。どうします? それでもいいなら、けっこう。
 謝罪文が欲しいのか。ならば、裁判所調停に入るという方法もある。
 再発防止策を約束させたいのか。ならば……。うーん。調停か。裁判での和解条項か。その後の監視や報告をどうするね。自分でやるしかないのだよ。
 賠償金が欲しいのか。ならば、示談か調停か裁判です。第三者立ち会いのもとでの示談である仲裁という形もある。どれも弁護士に頼んで、賠償金額の相場を調べないといけない。
 それぞれに、準備することが違う。
 このような権利を勝ち取るための準備がないところで、説明会を開かせても、無意味ではないかと思います。余計に疑惑が広がり、納得がゆかなくなることでしょう。

 これは病院側にとっても言えること。過誤ではなく合併症であると、素人に医学の説明してもわかんないわけです。相手が勉強してきていたら、多少はうまく説明できるでしょう。相手が何を要求したいのかがはっきりしていれば、対応もしやすいでしょう。

 また、相手が弁護士を出してきたら、こちらも弁護士を出す。そうしないと、相手の言っていることの妥当性がわからない。
 思い切りのいい人なら、まあ、なんとかうまく交渉できる場合もある。でも、あまり自分を過大評価しないほうがいい。相手はプロです。

 これまた、たまたま知人が、ひとりで交渉してまずまずの高額の示談となった事案があるのだけど、裁判をやっていたら、苦戦したと思われる内容だった。なんというか、その人には力があったのです。政治力があったと言ってもいい。同時に、相手にも解決しておかないといけない事情があった。

 裁判外の交渉の過程が表に出にくいのは、賠償の条件として口外禁止条項がつくためです。金やるから、黙ってろよということです。
 けれど、このような説明会による解決は、けっこう重要なことで、事例も多いはずなので、その過程や成果をなんとか集積したいものです。