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2-1-3 退院後/カルテの任意開示は厳禁

 個人でカルテの開示を請求することは、絶対にしてはなりません。

 近年、カルテの開示は、患者が行えるようになりました。情報公開や個人情報保護に対する意識の高まりから、一部には、いまだ開示を渋る病院もあるのですが、多くは開示する形になっている。

 1998年平成10年の厚生省検討会「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会報告書」によってカルテ開示の法制化が検討され、
 1999年平成11年、文部省より「国立大学附属病院における診療情報の提供等に関する指針(ガイドライン)」
 同年、日本医師会より「診療情報の適切な提供に関する指針」(2002年改訂)
 2000年平成12年、厚生省より「国立病院における診療情報の提供に関する指針
 2003年平成15年、厚労省より「診療情報の提供等に関する指針」
 2004年平成16年、厚生労働省より「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」(2006年2010年一部改訂)
 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/dl/170805-11a.pdf

 ところが、皆が喜んだのも束の間で、これがとんでもない事態を引き起こすこととなった。
 疑惑を感じた人、訴訟を考えた人が、どんどん自分で開示請求をするようになったからである。
 このような任意開示の場合は、病院は複写の手間がかかるので、すぐにその場で渡すことはない。当然といえば当然である。そのために、カルテ複写を渡してくれるまでには、いくつかの例を聞いたところでは、およそ1カ月くらいはかかる。

 おかげで、病院側は、訴訟を念頭に、確実に改竄の猶予をつくることができるわけです。
 裁判所による証拠保全の執行でさえ、30分前に予告が入ることが批判の対象とされているのに、任意開示で一か月もかけていたら、何の意味もないのです。
 そんなカルテで何をしようというのですか。もう何もわかりませんよ。医療過誤の真実は迷宮入りです。訴えるつもりがなくても、謎は解いておきたいでしょう?

 もちろん、開示は請求された物しか出さない。狭義のカルテ(医師記録)、看護日誌、検査画像などはともかく、病棟日誌まで請求する患者はいないだろう。訴訟となったときにも、もう既にあるからと、証拠保全をしない弁護士は多い。でも、このまま進むと訴訟時に困ることがある。

 で。重複は承知できちんと証拠保全をしても、改めて追加するような改竄をしていることもある。
 カルテ改竄というのは、裁判官を馬鹿にしているのではないかと思えるくらい露骨にやられる。裁判がはじまって、被告が翻訳カルテを出してきたら、証拠保全をしたときのカルテと違っていた、などという信じられないことさえある。僕の知人の場合がそうだ。病院は「こっちが正しいカルテだ」と主張しようとしたわけです。うっかり、相手が気づかなければもうけもの。そのくらいあからさまにやられます。

 カルテの任意開示は、医療疑惑への苦しみとともに、患者の権利の高まりとして達せられたかのように見えるのですが、その実、病院が改竄の猶予をつくるための制度なんです。

 診療報酬明細書(レセプト)も同じ。
 1997年平成9年厚生省通知「診療報酬明細書等の被保険者への開示」
 レセプトも、証拠保全前に申請したら、絶対に駄目です。
 レセプトとは要するに、保険請求の内訳である。病名は何で、何の薬をどれだけ使ったか、どんな治療をしたか、そんなのが月毎に書かれている。
 これを検討すれば、何をやったかが、おおまかにはわかるというので、医療過誤の最初の調査で明細を申請することがある。
 申請の目的は、「保険料をチェックしたい」と言えば良い。

 ところが、この申請時に、医療機関へ連絡して「見せていいか?」と聞くという状況がある。どうして聞くのかというと、本人に隠している病名があるとマズイでしょ、という名目。(実利としても一理あるが)
 実際は過誤調査だ。そんなことは医療機関は百も承知である。カルテ改竄のスタートです。

 そしてまたご丁寧に、レセプトの扱いも都道府県ごとに対応が異なる。いつもの困ったお役所仕事。本人でないと駄目なのは当然としても、本人が申請できない状況のことも多い。私的代理人は認められているはずですが、頑として応じない窓口もある。「本人は重度後遺症で動けないの」「0歳児だから自分では申請できないの。私はママ」そういうのを拒否するのです。委任を受けた弁護士でも駄目と言うのがいるのだから、凄いですよね。
 こういうのは大揉めに揉めたほうがよろしい。おらおら。責任者出さんかい! カウンターにのっかって、大声で恫喝する方が良いでしょう。なに。警官が来ても事情を聞かれて終わりです。でも、水をかけても「暴行」ですから、やりすぎないようにしてね。
 僕なども、相手は民暴の弁護士だから机を叩くな、と注意されたことがあります。なんでそんなのが出てくるねん。困ったものです。