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2-1-2 入院中/証拠保全の問題

 カルテ改竄は常識である。一説には改竄は8割と言われている。だって、裁判は勝てばいいのですから、なんだってやられます。

 入院中に疑惑があった場合、本当はその時点で、証拠保全をかけてカルテなど診療記録一式を押さえたいところ。けれど、普通はやらない。リアルタイムで患者がカルテを入手できるシステムでもないと無理。電子カルテでも限界がある。これは大きな課題。

 入院中に証拠保全をかけない理由は、訴訟時の損害が確定していないこと、保全以後の分のカルテ改竄によって以前のミスが帳消しとなる可能性があること、以後の経過が二重帳簿になる可能性があること。証拠保全の執行までに手続きの時間と手間がかかること、退院後も再度証拠保全をしなければならず、費用も手間も二重になること、命が助かるかどうかの瀬戸際に、裁判所や弁護士事務所に通えるでしょうか、ということ。

 カルテの証拠保全は、医療側にも患者側にも感情的しこりが残る。訴訟をすることが決まっていないとはいえ、相手を疑っているという意味なので、喧嘩するぞという宣言に等しく受け取られるからである。
 そんなことを入院中にやったら、患者が意地悪されたり、追い出されたり、殺されるのではないかと考えるのが普通。
 実際には、まともな病院なら、みんなが異様に優しくなるとは思いますが、いろいろな人がいるのも事実。医療事件には、ヤクザも介入している。
 退院後でさえ、医療側弁護士は反発する。そんな喧嘩腰でこないでくれ。こっちは忙しいんだ。言ってくれれば、ちゃんと渡すから。という話。

 電子カルテなら、改竄されないわけではない。修正記録があったところで、それがどのような意味を持つのかを立証するのは大変なことである。
 それに、完全に全てを電子化保存している病院が、どれだけあるのだろうか。カルテには手書きでないと無理なものがある。それをまた、パソコンに打ち込んだり、画面に取り込んだりするのでしょうか。ミスの機会が増えるだけのように思えます。
 また、パソコンはシステム・ダウンする危険が常につきまとう。パソコンの導入によって紙が廃止できるかというと、そんなことはありえない。最初の記録は確実に保管しておかないと、パソコンのデータが消えたときには、どうしようもなくなる。

 カルテ改竄は、隠そうという気持ちがある限り避けられない。その気持ちをなくすことが必要。その方法は、考えてゆかねばならないところ。ほとんど、価値観の総入れ換えを目論むことになるでしょう。