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2-1-1 入院中/過誤は連打する

 訴訟なんか、小さなミスではとてもやれません。数百万円と多大なる労力を投入する、勝ち目の薄いギャンブルなんです。
 どんなに優勢で進めていても、絶対勝てるなんて保証はないんです。それほどに医療裁判の基準は不可解で流動的なのです。だって、弁論大会なんですから。

 医療過誤で裁判やんなきゃならん事案というのは、最悪の結果になっているケースです。最悪になるまでには、どういうわけか、過誤は一発ではなく連打しています。訴訟が射程に入る事案の多くはそういうものです。
 あのとき気づけば。あれがなければ。あの日に限って日曜日。あの夜に限ってあの看護師……。いくつものセーフティーやチャンスがスッポ抜け、これでもかと不運が続いて、どうしようもなくなる。事実経過を綴った診療経過表を見るだけで涙が出る。

 このことを逆に考えれば、1個のミスや疑惑があったら、そのあとを、なんとかして注意してしのげばいいのです。残念ながら、患者としては、そのくらいしかやれることがない。
 だから、つまんないミスで、わめかない。わめいた時点で、カルテ改竄。軽いミスに気づいただけ儲けもの。

 怖かったら転院するといいのですが、普通はほいほい転院できるほどの状況には無いでしょう。あったとしても、見極めがむずかしい。ここは勝負に出るしかないところ。地域の最大最新の大学病院だったら、たいていは他にどこへも行けやしませんが。

 大事なことは、常日頃の会話。職場でも友人関係でも夫婦関係でも同じ。対話があるかどうか。病気で苦しいなかだし、医者も看護師も忙しい。なかなか話しづらいですけどね。人づきあいが苦手なのに、医師も看護師もいろいろな性格の人がいるのに、そんなことに頼らなくてはいけないのは、やるせないところですが。
 意思疎通がしやすいかどうかは、病院の雰囲気、看護師の明るさ、清掃の綺麗さ、そんなものが指標になる。間違いなくあると思う。選ぶことが可能なら、そういう病院がいい。患者と医療側の意思疎通だけでなく、医療者同士の意思疎通が円滑なら、かなりの程度にミスは防げる。

 人は誰でも間違える。そんなことはわかっている。細かなことをきちんと伝えれる関係ができれば、相手も人間。注意してくれるものです。
 また、ミスがあったとき、そういう関係があれば、正直に謝ってくれることもある。意外に納得するものなんです。
 憎しみを持つのは、結果が悪かったことよりも、嘘をつかれるときです。嘘は、患者の人格を否定することです。患者の存在を無視することと同義です。