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1-2-2 民事裁判に「罪」はない/賠償金の争奪戦

 民事裁判では、憎き医者をやっつけてやろうと思って訴訟に臨んでも、その医師が法廷にくるわけではない。証人尋問となって呼ぶ必要が認められたときだけ、法廷にやってくる。数年間裁判をやって、一度も被告医師と対面しない裁判も珍しくはない。被告方から出席してくるのは、訴訟代理人である弁護士だけである。
 ならば、その弁護士は、被告医師の代理人かというと、確かにそうなんだけども、実はそういうわけでもない。それは保険屋の弁護士である。賠償金を払うのは保険屋だからである。公的機関の場合は、行政の弁護士もくる。

 医療訴訟は、保険屋との代理戦争なのである。保険屋では、賠償金は「支出」として計上される。医療裁判は、営利損益のための賠償金争奪合戦の形をとる。
 仮に、病院や医師が患者に賠償したいと思ったとしても、保険屋が「それは駄目だ」と言えば、訴訟になる。また逆に、病院が「過誤を認めます」とやると、保険屋は加入者の意向をくんで支払うというケースもある。
 医療訴訟で、医者が敗訴しても、別にどうということもない。そのための保険です。どうということがあるのは、なんと、あなたに協力した医師のほうです。

 おいおい。医療過誤はどこへいったのだ。そうです。賠償請求の裁判は、医療過誤を断罪するものではありません。ましてや、医療過誤の罪を認めるとか、反省を要求するものでは決してない。医療過誤裁判では「罪」などどこにもないのです。
「謝罪させたい」「再発防止を約束させたい」被害者はみんなそう思って裁判をやる。でも、裁判では、ただ賠償金を決めるだけのものです。
 医師のほうもこういうことを知らないから「俺は裁判官じゃねえ」「仲間は売れねえ」などということになる。そして、患者側の協力者がいなくなる。
 それ違うんだよん。

 でも、多くの医療裁判は金で起こるものではない。医師が嘘をつくからです。その嘘は人間としての罪でしょう。そして、免許が疑わしい医師や看護師も確実にいます。それでも、まずは、代理戦争である医療裁判を展開するしか方法がないのです。この矛盾を承知の上で、責任の基準作りのために裁判闘争をやるということです。